おすすめグレードは?シマノ コンポーネントの選び方

シマノのロードバイク用グループセットにはSORA、TIAGRA、105、ULTEGRA、DURA-ACEと5段階あります。
本当は、SORAの下のグレード(CLARIS、TURNEY)もあるのですが、まともなロードバイクに搭載されていることは、ほとんどありませんので割愛します。

「SORA」は粗悪品ではない

前述したコンポのグレードの中で一番下位の位置付けになっているSORAですが粗悪品かと言われると、そうではありません。

変速性能の差は極わずか

コンポの品質といえば一番に思いつくのが変速性能です。その変速性能ですが、「素人が調整したDURA-ACE」と「プロのメカニックが調整したSORA」では確実にプロが調整したSORAの方が変速はビシビシ決まります。きちんと調整さえ出来ていればSORAだからといって変速に困ることは無いでしょう。もちろんきちんと調整されたDURA-ACEと比較したら初めて乗ったライダーでも、その差は感じ取ることができるでしょう。

コストの差は耐久性

では、SORAはどこでコストを落としているのかというと、耐久性が一番になります。
DURA-ACEやULTEGRAを使用するユーザーは毎日数百km走ることも想定されています。SORAでそんな乗り方をしてしまえば、1年ぐらいでコンポの寿命がきてしまうでしょう。具体的にはワイヤー類が劣化します。またチェーンの伸びも早いです。

長距離乗り続けたり、高いパワーをかけるような乗り方(要するにレース)の場合はSORAは向かないかもしれません。

「TIAGRA」はコストパフォーマンスが抜群

2015年に4700系にモデルチェンジされたTIAGRAは現在最もコストパフォーマンスに優れたコンポと言えるでしょう。

ほとんどのユーザーはTIAGRAで十分

性能の観点からすると、一部のトッププロを除いてTIAGRAで十分な品質です。
TIAGRA以上のグレードのコンポを求めるユーザーは、実は見栄の部分が大きいです。
11速のきめ細やかな変速が本当に必要でしょうか?

TIAGRA以上のグレードは見た目が酷似

4アームのクランクや触角の無いSTIレバーなどTIAGRAは上位グレードのコンポと統一されが外観になっています。
そのため、遠目で見たらどのグレードのコンポが付いているのか判断するのは難しいでしょう。
ロードバイクは自動車と同じで全体のパーツの集合体としてのデザインも大きく自転車の満足度に影響します。
そういった意味で、外観にこだわるのであれば、TIAGRA以上といきたいところですね。

弱点は上位互換

TIAGRAは10速なので105に載せ変えようとすると「フロントディレイラー」「クランク」「リアディレイラー」「チェーン」「スプロケット」場合によっては「ホイール」も変更する必要があります。また、4600系の一世代前のTIAGRAであれば「STI」も互換性がありませんので交換する必要があります。
そうなってくると「BB」「ブレーキ」以外ほぼ全て交換ですね。

本格派の下位グレード「105」

いわゆる「乗ってる」ユーザーの下位グレードが105になります。
おそらく2台目以降のロードバイクを選ぶ時は105以上を選ぶことになります。
逆に初めての一台を選ぶ時に105以上を選択する人は少ないでしょう。そのような事情から105以上のコンポが搭載された自転車に乗っていると「乗っている」という印象になります。もちろん、初めての1台に選ぶ方もいるでしょうから一概には言えませんが、印象としては「乗っている」が105以上です。

105以上は11速で上位互換が保たれている

105以上は全て11速になっています。そのため105を搭載しておけば、パーツごとに細かく上位に交換していくことができます。気が向いたらリアディレイラーを7,000円前後でULTEGRAに交換することができます。そのため、コストパフォーマンスの高い105の完成車を購入してパーツを少しずつ育てていくという楽しみもあります。

逆に貧しい印象も

ミドルグレードである105ですが逆に言えば本格的に乗っているライダーから見たら「なぜULTEGRAにしないの?」という疑問が湧きます。そうなると「あーお金が足りないから、、、」という風に見られてしまうことも。印象としては「頑張っている自転車部の学生」といったところでしょうか。性能が肉薄しているだけにULTEGRAの廉価版というネガティブイメージもあります。

「ULTEGRA」はホビーライダーの到達点

前述した105の弱点を補ったものがULTEGRAになります。105との価格差も小さく、一番人気のグレードです。
その性能は素晴らしくTIAGRAあたりから乗り換えても変速のスパスパ決まる感覚などはすぐに体感できるはずです。

満足感の高いULTEGRA

フレーム買いから組み立てる場合はULTEGRAをチョイスすることが多いのでは無いのでしょうか?
かなり速いライダーでもULTEGRAを使っている場合があります。レースに出場しないライダーにとってDURA-ACEは必要ありませんので、事実上はホビーライダーの最上位グレードということになります。

マイヨジョーヌも愛用する性能

2015年のマイヨジョーヌであるクリス・フルームですが、なんとそのリアディレイラーはULTEGRAでした。
なぜシマノから機材が供給されているにも関わらずDURA-ACEを選択しなかったかというと、当時はDURA-ACEより優れた部分があったからです。
その優れた部分とは、対応スプロケットの幅。
現在DURA-ACEでは12-28までのスプロケットしか対応できませんが、ULTEGRAであれば11-32Tという超ワイドレシオのスプロケットが装着できます。
フルームのようにハイケイデンスで山を登っていくスタイルの場合は僅かな変速性能を犠牲にしても、でかいスプロケの方が有利という判断なのでしょう。

最上位グレード「DURA-ACE」

現在シマノの最上位グレードであるDURA-ACEは、もちろんのこと最高の品質です。性能に関して言えばカンパやスラムの上位グレードであってもDURA-ACEに勝ることはありません。

唯一のレースグレード

DURA-ACEは唯一のレースグレードです。逆に言えばレースに出ないなら必要のないグレードになります。
それがULTEGRAを到達点と称した理由です。ULTEGRAとの性能差は地味ながらハッキリわかるもので、ULTEGRAからBB、チェーン、ワイヤー類など地味な部分をグレードアップするユーザーも多く存在します。

ユーザーを選ぶコンポ

自転車乗りの中ではDURA-ACEは選民的な思想があります。ULTEGRAまでは貧脚なユーザーが乗っても許されますがDURA-ACEに乗ってしまえば、遅いなんてことは許されません。逆に「実力もないのにDURA-ACEつけるんじゃねーよ」と思われてしまうリスクも高くなります。

電動コンポ「Di2」の必要性

コンポのグレードとともにULTEGRAとDURA-ACEには電動コンポのDi2というシステムが用意されています。
電池の入ったシステムでモーターを動かし、正確に変速する仕組みです。

軽い力で変速できるメリットって

よく雑誌などのレビューでDi2のメリットとして「ギリギリの体力でも軽い力で変速できる」などとレビューされています。
しかし、ほとんどのユーザーにとってフロントのシフトアップができないほどの極限状態で走行することは稀なのではないでしょうか?
レース中ならともかく、一般道でギアチェンが辛いレベルまで走れば他の交通に迷惑をかけるどころか事故のリスクが非常に高くなります。

Di2のメリットは他にも

では、シフトアップできないレベルまで追い込んで走る場合以外はDi2は不要でしょうか?
私はそうは思いません。一般ユーザーにとってDi2のメリットはメンテナンス性の高さと走行管理だと思います。

ワイヤーを使わないので経年劣化しない

Di2以外のギアチェンジはワイヤーを使ってディレイラーを引っ張り位置を変更します。
当然ですが、金属を使用しているワイヤーに負荷をかけ続けていますので変速性能は緩やかに落ちてきます。
通常は1年程度で明らかに変速性能が悪くなったと感じるでしょう。
しかしDi2ではモーターを使用してディレイラーの位置を変更しているので、諸悪の根源のワイヤーを利用しません。
そのため、シビアな変速性能を調整するのに高度な技術が必要ありません。

現在のギアが記録される

少し本格的に乗っているユーザーであればGARMINなどのサイクルコンピュータを使用しているかと思います。
そのログにギア情報が残せます。例えばヒルクライムなどでログを見たとき、どのギアを使っていたのかを確認することができます。
これはヒルクライムやTTにとって非常に貴重なデータになることでしょう。

まとめ。実力に応じたコンポを選ぶべし

コンポというのはロードバイクのヒエラルキーでもあります。そのコンポ選びは非常に悩ましいところです。
予算が許すのであれば基本的にULTEGRAを選んでおけば間違いありません。
ただし予算が潤沢で無い場合は実力に応じてコンポを選ぶと良いでしょう。初心者なのにDURA-ACEは逆に恥ずかしい思いをすることでしょう。
また、SORAのコンポをつけていたらベテランライダーが優しくしてくれるかもしれません。
何度も言いますが、コンポの性能差は僅かです。コストパフォーマンスを見れば、絶対SORAです。
SORAのコンポであろうが速いライダーが乗れば勝てません。コンポ選びは性能以外の部分で選ぶのが正解かもしれません。

コンポのアップグレードに関してはこちらの記事も参考にしてください

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  1. あさひたん より:

    TURNEYのロードバイクはダメですか?

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