自転車のタイヤ選びって、意外と奥が深いんです。700x23Cから700x32C、最近では700x35Cまで、様々な太さのタイヤが存在します。今回は、レースではなくポタリングから日本一周まで、ホビーライドを楽しむ皆さんに向けて、タイヤサイズと太さの選び方を徹底解説します。
タイヤサイズの基本知識

タイヤサイズの表記を理解する
まず基本から。700x25Cという表記を例に説明します。
- 700:タイヤの外径(約700mm)
- 25:タイヤの幅(25mm)
- C:ビード径の規格(622mm)
ちなみに、同じ「700C」でもETRTO表記では「25-622」と書かれます。最初の数字がタイヤ幅、後ろがリム径です。海外通販などではETRTO表記の方が一般的なので覚えておくと便利です。
ロードバイクのタイヤサイズは99.99%が700Cです。ジュニアサイズや、一部特殊なグラベルバイクを除いて全て700Cです。自分のロードバイクのタイヤの外径がわからない場合は700だと思ってほぼ間違いないです。
現在主流のタイヤ幅
- 23mm:昔のロードバイクの定番。今はほぼ絶滅危惧種
- 25mm:現在のロードバイクスタンダード
- 28mm:エンデュランスロードやグラベルロードの入門サイズ
- 32mm:グラベルロードの主流、ツーリングにも最適
- 35mm:グラベル上級者、オフロード重視
とりあえずこれを選べば安心
この後、タイヤについての深い話を続けていくのですが、すごく長くなるので全部読みたくない人は、これからおすすめするタイヤを選べばOKです。ホイールの種類がわからない場合は、クリンチャータイプを買っておけば間違い無いです。
初心者・通勤・経済的
ロードバイクを買って最初のタイヤ交換。通勤・通学にもガシガシ乗りたいという場合はパナレーサーのパセラがおすすめ。タイヤ自体も安いしデザインもカッコいい。耐パンク性能も高く気にせずガンガン乗れるタイヤです。腕時計だとGショック的な存在です。
リムブレーキなら25C
ディスクブレーキなら28C
いいタイヤが欲しいならこれ
せっかく高級な自転車なんだから、タイヤもいいものを選びたいならコンチネンタルのGP5000を選びましょう。中級者以上のライダーにとって大定番のタイヤです。とりあえずこれを履いていれば間違い無いです。腕時計だとロレックスのエクスプローラー的存在です。こちらもリムブレーキなら
リムブレーキなら25C
ディスクブレーキなら28C
タイヤの種類による特徴と選び方
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クリンチャータイヤ(最も一般的)
特徴
- チューブとタイヤが分離
- パンク修理が簡単
- 種類が豊富で価格も手頃
太さ選びのポイント クリンチャーは最も選択肢が豊富です。初心者からベテランまで、用途に応じて23mmから35mmまで幅広く選べます。迷ったら25mmか28mmを選んでおけば間違いありません。
クリンチャータイヤのオススメ
チューブレスレディ(TLR)
特徴
- パンクに強い
- 低圧で乗れるため乗り心地が良い
- セッティングがやや面倒
太さ選びのポイント チューブレスの恩恵を最大限受けるなら28mm以上がおすすめ。太いタイヤほど低圧での走行が可能になり、グリップ力と乗り心地の向上が顕著に現れます。25mm以下だとチューブレスにする意味が薄れがちです。
チューブラータイヤ(競技用)
特徴
- 軽量
- パンクしても走り続けられる
- 高価で交換が面倒
太さ選びのポイント 正直、ホビーライダーにはおすすめしません。どうしても使いたい場合は、レース志向なら23-25mm、快適性重視なら28mmを選びましょう。ただし、種類が限られるのが難点です。
リムとの相性を考える

リム内径(内幅)との関係
リムの内幅とタイヤ幅の組み合わせは、タイヤの形状と性能に大きく影響します。適切な組み合わせを選ぶことで、タイヤ本来の性能を発揮できます。
狭いリム(13-15mm内幅)
- 23-25mmタイヤに最適
- 28mm以上だとタイヤがドロップ形状になりがち
標準的なリム(15-17mm内幅)
- 25-28mmタイヤに最適
- 現在の主流サイズ
ワイドリム(17-21mm内幅)
- 28-32mmタイヤに最適
- 太いタイヤの性能を最大限発揮
超ワイドリム(21mm以上内幅)
- 32mm以上のタイヤに最適
- グラベル専用と考えた方が良い
実際の組み合わせ例
古いロードバイク(内幅13mm)+ 28mmタイヤ → タイヤが電球のように膨らんで不格好、空気圧も上げづらい
現代的なリム(内幅17mm)+ 25mmタイヤ → 理想的な形状、バランスが良い
グラベル用リム(内幅21mm)+ 32mmタイヤ → タイヤが本来の性能を発揮、快適性抜群
用途別おすすめタイヤ幅

用途に応じて最適なタイヤ幅は異なります。以下、具体的なシーン別におすすめサイズをご紹介します。
通勤・街乗り(距離:5-20km)
おすすめ:28-32mm
街中の段差や悪路に対応でき、パンクリスクも低い。スピードより快適性を重視するなら、迷わず太めを選びましょう。25mmでも十分ですが、路面状況が悪い場所を走る機会が多いなら28mm以上が安心です。
週末ポタリング(距離:30-80km)
おすすめ:25-28mm
程よいスピード感と快適性のバランスが取れたサイズ。疲労軽減効果も期待できます。ロードバイクらしい走りを楽しみたいなら25mm、快適性重視なら28mmがベストチョイスです。
ロングライド・ブルベ(距離:100-400km)
おすすめ:28-32mm
長距離では快適性が最優先。太いタイヤの方が疲労軽減効果が大きく、パンクリスクも下がります。400km超のブルベなら、迷わず32mmを選択すべきです。「少しでも軽く」という考えは捨てて、確実性を取りましょう。
日本一周・長距離ツーリング
おすすめ:32-35mm
荷物を積載する関係で、タイヤへの負荷も大きくなります。パンクは致命的なので、太さと耐久性を最優先に選択。35mmなら砂利道でも安心して走れます。
グラベルライド
おすすめ:32-40mm
舗装路とダートを混走するなら、最低でも32mm以上。本格的なグラベルロードなら35-40mmが標準的です。ただし、ホイールとフレームのクリアランスを事前に確認しましょう。
空気圧との関係

タイヤの太さと空気圧は密接な関係があります。太いタイヤほど低圧で乗れるため、乗り心地の向上が期待できます。
一般的な適正空気圧の目安
- 25mm:6-8 bar(90-115 psi)
- 28mm:5-7 bar(75-100 psi)
- 32mm:4-6 bar(60-85 psi)
- 35mm:3.5-5 bar(50-75 psi)
体重による調整
- 軽い人(50-60kg):上記より0.5-1 bar低め
- 標準的な人(60-75kg):上記の範囲内
- 重い人(75kg以上):上記より0.5-1 bar高め
太いタイヤほど低圧で乗れるため、乗り心地が劇的に改善されます。これが「太いタイヤの方が快適」と言われる最大の理由です。
よくある疑問とその答え
Q:太いタイヤは本当に遅いの?
A:実際の差はわずかです
25mmと32mmの速度差は、平地巡航では体感できないレベル。むしろ太いタイヤの方が路面からの振動吸収が良く、長距離では疲労軽減により結果的に速く走れることも多いです。
Q:細いタイヤの方が軽いから登りが楽?
A:重量差より空気圧の影響が大きい
25mmと32mmの重量差は50-100g程度。一方、太いタイヤは低圧で転がり抵抗を下げられるため、登りでも思ったほど不利になりません。
Q:パンク修理は太い方が大変?
A:逆に太い方が楽です
太いタイヤの方がチューブに余裕があり、パンク修理時の作業性は良好。また、そもそもパンクしにくいので修理頻度も下がります。
実際の選び方のコツ

実際にタイヤを選ぶ際は、以下の手順で進めることをおすすめします。
1. 現在のリム内幅を確認
まずは手持ちのホイールのリム内幅を測定。これによって最適なタイヤ幅の範囲が決まります。
2. フレームクリアランスをチェック
太いタイヤに交換する場合は、フレームとのクリアランスを確認。最低でも左右5mm、上下3mmの余裕は欲しいところ。
3. 用途を明確にする
「何となく細い方が速そう」ではなく、実際の使用シーンを具体的に想定しましょう。
4. 段階的にサイズアップ
いきなり25mmから35mmに変更するのではなく、28mm→32mmと段階的に試すのがおすすめ。
まとめ
タイヤの太さ選びで重要なのは、用途に応じた適切な選択です。レースでもない限り、快適性とパンク耐性を重視して太めを選んでおけば間違いありません。
迷ったら28mmを選べというのが、様々なタイヤを試した私の結論です。25mmと32mmの中間で、ほとんどの用途に対応できる万能サイズ。リムとの相性も良く、種類も豊富で価格も手頃です。
最後に、タイヤは消耗品なので、最初は安めのタイヤで試して、自分の好みを見つけてから高性能タイヤに投資することをおすすめします。きっと、今まで気づかなかった快適性の向上を実感できるはずです。







